年中旅行、時々プチ移住

私の渡り鳥生活

ペナン島に住み、日々が経つにつれ、旅行気分は薄れ、異国での生活が日常になっていきます。
ペナン島での生活の時々に、昔の思い出が甦ります。今は、ペナン島を離れて「年中旅行、時々プチ移住」という
渡り鳥生活、プチ移住についての情報を発信しています。 キャリーケース1個、ナップザック1個の旅装です。

パリの思い出: ご接待とフランス料理について

今日の夕食は、大好きなフランス料理。
Two Frenchies Cafe Bistrot
36, Lebuh Bishop, 10200 George Town, Penang
最初のブログ記事

美味しいフランス料理を出すビストロですが、
以前から、ここのセットランチは私にとっては、
おままごとのようなお料理の皿で、あまりに
ボリュームが少なく感じられていました。
今日は夕食、アラカルトで。
以前来た時にメニューから目星をつけていた、
ブイヤベースを彷彿とさせる魚介類のスープ、
パリでご接待の時、食べていた「ラセール」の
鴨のオレンジソース煮など考えていますと、
パリの思い出が甦ります。
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三度目のパリ(1991-1994)では、ほとんど毎週末が
お客様のご接待でした。
当時の代表的なご接待コース
金曜日 ドゴール空港到着。
    空港迎え(私)、運転手付きリムジン送迎。
    ホテルまでの道中、スケジュール説明など。
    ホテルチェックイン:D社(パリ)社長挨拶。
    夜、フランスレストランで会食。
土曜日 お客様に日本人ガイドとリムジンの紹介(私)
    終日、観光。ショッピング(日本人ガイド)
    夜、リド(orムーランルージュ)(私アテンド)
日曜日 ホテルチェック・アウト:私アシスト)
午前中、ヴェルサイユ宮殿観光(日本人ガイド)
    昼食:軽めのフランス料理か、「金太郎」:
    ラーメン屋にリムジンで乗りつけなど。
    午後、パリ市内観光(日本人ガイド)
    空港で、航空機チェック・イン(私の
    アシスト、空港) 
気配り
到着のお客様には、ワープロで作成した2枚の書面
と小さな封筒を、クルマの中で渡して、説明。
1枚の紙面には、スケジュール表、ホテルの住所・
電話番号、ホテルの部屋からの電話のかけ方
(外線;日本へ、内線;部屋から部屋、フロント、
コンシエルジュ)
もう1枚の紙面には、フランス・パリの一般事情
(国土・人口・政体から直近の為替、金利動向
など経済一般)を簡潔にまとめたもの。
小さな封筒には、ホテルの枕銭・チップ用の小銭
(1泊あたり10フラン硬貨1枚x泊数分)を
入れていました。
お客様の部屋には、炭酸ガスなしのミネラル
ウオーター、日本経済新聞の配達手配。
日本側からの依頼によっては、プレゼント、
花、果物などが、ホテルチェックイン時には
お部屋に入っているようにするアレンジ。
送迎・観光に使うリムジンやクルマについては
どのハイヤー会社でも同じようなものですが、
大事なのは運転手でした。
お客様に対する立ち居振る舞い、その運転技術
など、運転手個人個人の差が大きく、ハイヤー
会社ごとに1人か2人ずつ、日本のサービス業の
尺度に会う人を見つけて、その運転手を予約
していました。
いくらリムジンでもメルセデス500でも、
運転手が、お客様に不快感を覚えさせることが
あってはご接待は失敗です。
日本人ガイドさんについては、団体のガイドを
やっている方(免税店まわり、お客様の扱いが
荒い)は避け、個人旅行のおとなしい良いガイド
さんを見つけて、お願いしていました。
学生時代(1976)からパリに残っている友人や
N社の研修生時代(1981,1982)の知り合いにも、
随分、助けてもらいました。
フランスレストランの食事について
ミシュランの星付きレストランというのは
一流の料亭レストランです。
日本の方は、概ね、食事の開始時間が早い、です。
パリの場合、フレンチレストランが開店する時間は、
早くて19時半ですが、その時にお店に入って来る
のは、我々日本人だけです。
此方に一組、彼方に1,2組で男性ばかり、
ダークスーツの黒髪(か白髪)のグループです。
ちょっと異様。
フランス人が入って来るのは、20時過ぎ、21時
くらいです。
ほとんど、女性連れ。
フレンチレストランのテーブルの回転率は、恐ろしく
悪い、というか、回転はほとんど、ありません。
いったん、テーブルについたお客様は、そのまま、
閉店まで、そのテーブル・空間を占拠できます。
こうしたレストランで夕食の場合、どんなに早く
ても2時間半はかかります。
日本人の食べる速度がいくら早くても、あくまで、
お店のサーヴィスはゆっくりと丁寧で、お皿を
下げる、次のお料理を出す、ワインをサーヴする、
といった一連の動作には、他のお客様に対する
サーヴィスと微塵の違いもありません。
例えば、こんな具合です。
お店に入ると、メートルドテルが予約の確認を
して、席に案内されます。
冬であれば、この時、コートを預けます。
席に着き、メニューが渡されます。
日本語に翻訳したメニュー(私と私の秘書:元
パテシエの方が作成、事前に渡しています。)
を取り出すお客様もいらっしゃいます。
アペリティフ(食前酒)のオーダーを取りに来ます。
お客様にいろいろご説明をして、注文します。
シャンペンとか、キールロワイヤルとか・・・
メニューを子細に検討していると、アミューズ
(「つきだし」のような小皿)がサーヴされます。
頃合いを見計らって、ヘッドウエイターが、
注文を取りにあらわれます。
いろいろなやりとり、今日は何がお薦めとか、
この料理はどういうものか、とか・・・の後、
ようやく注文が終わります・
アペリティフが来ます。
アペリティフを飲みながら、しばし談笑。
今度は、ソムリエがあらわれます。
私たちの注文した料理を彼に伝え、彼のおすすめ
ワインを聞いて、お客様に伝えて、ワインを選び
ます。
ガス無しのミネラルウオーター(多くの日本人は
炭酸ガス入りのお水が苦手です)を、忘れずに
頼んでおきます。
ここまでで、優に30分はかかります。
アミューズを食べ終わり、アペリティフも
飲み終わります。
お皿、グラスを下げに来ます。
このころ、注文したワインを持って、ソムリエが
あらわれます。
テイスティング。
全員のグラスに、ワインが注がれます。
乾杯。
ころあいに、前菜が運ばれて来ます。
前菜の賞味、談笑。
お皿を下げに来ます。
ウエイターが、空いたグラスに、ワインを注いで
くれます。
二本目のワインを注文したりします。
また、ころあいに、主菜が運ばれて来ます。
温かいお料理の場合、お皿の上に、銀製の半球の
ドームのような覆いがかかっていますが、全員に
お皿を配り終えたところで、何人かのウエイター
が、いっせいにその覆いをとります。
嘆声。
主菜の賞味、談笑。
全員が食べ終わると、お皿を下げに来ます。
別のウエイターは、テーブルの上のパン屑を
綺麗にしてくれます。
そのうち、たくさんの種類のチーズを載せた
ワゴンがきます。
お客様には、フランスにいらして、せっかく
ですからと言って、注文していただきます。
チーズと一緒に、田舎パンやクラカーの類が
サーヴされます。
ウエイターが、空いたグラスにワインを注いで
まわります。
今度は、美しい、いろいろな種類のデザートを
載せたワゴンがきます。
デザートのオーダー、
デザートの賞味。
お皿を下げに来ます。
このころ、別のアミューズ(今度は小さなお菓子)
がサーヴされます。
コーヒーか紅茶か、聞きに来ます。
食後のコーヒー(または紅茶)。
ウエイターが葉巻のケースを開いて、葉巻は?
と聞いてきます。
食後の時間に漂う、葉巻の甘い香りは、たばこを
吸わない私でも、心地よいものに感じられます。
日本の方は、たいてい、ここでタバコを喫われます。
この頃、今度はディジェスティフ(食後酒)の
ワゴンがきます。
ディジェスティフの注文、賞味。
コニャック類の注文が多かったです。
メニューに記念のシェフのサインをいただくように
お願い、できたメニューをお客様にお渡しします。
この辺でお勘定を頼みます。
一人あたり、大体いつも1,000フランくらい(=2万円)。
クレジットカードと一緒に、現金をチップとして
渡します。(一人当たり50フラン見当で人数分)
クレジットカードのサインを済ませます。
これで、だいたい2時間半。
こういった具合で、フレンチレストランは、
「時間、空間(食事を共にする人たちの)の共有感覚」
を大事にしています。
どんなに日本人が食べるのが早い、といっても2時間半
はかかるわけです。
食後は、外に待たせてあるクルマでホテルまで帰ります。
これを4年間、毎週末、やっていました。
月曜日~金曜日は会社で総務・労務・法務・経理部門の
担当で、証券会社でいう「管理役席」でした。
パリに来られるお客様はミシュラン、3ツ星か2ツ星を
希望されています。
ただ、土・日は有名店の多くが閉店しているので、
金曜日の夜に行くことが多かったです。
土・日だと、ホテル内のレストラン、「エスパドン」
(リッツ)、「レジャンス」(アテネプラザ)、
ホテル外では、開いている数少ないレストランの
「ツールダルジャン」や「ジュール・ヴェルヌ」に
なりました。
当時、接待によく使ったレストラン
「ツールダルジャン」★★
「ツールダルジャン」の良い所は、予め予約して
おけば、食事の後、レストラン地下にある、ワイン
貯蔵庫(豊富なコレクション!)を、その当時
いらっしゃった日本人の係りの方に、案内して
いただけたことです。
残念だったことは、ノートルダム寺院の夜景、
セーヌ川の遊覧船の煌びやかな照明などが
楽しめる窓際の人気のテーブルが予約できず、
日本人の場合は、入口近くの席に案内される
ことが多かった事です。
有名な鴨料理は、血のソースのものと、
粒胡椒のソースのもの「マルコポーロ」など、
幾つもあり、2回に分けて出されます。
最初は、ソースのかかったお皿、二皿目が
ソースのかかっていない、カリッと焼き上げた
ものです。
二番目のお料理が、爽やかに感じられたものです。
「ターユヴァン」★★★
日本人の場合、6人以上の人数(お客様側が、
会長か社長、おつきの役員の方2名~4名、
当方が、社長と私ならそういう人数になって
しまいます)なら、フレンチレストラン内
では目立ってしまいますので、個室を予約
します。
個室は天井が高く、壁にはフランス名画も
掛かっていて、非常に優雅な雰囲気が
味わえます。
サーヴィスは、他の3ツ星レストランにも
まして、素晴らしく、食後酒のサーヴィス
の時は、お店側が作ったD社の名前入りの
コニャックをさりげなく、サーブします。
天下のパリの3ツ星レストランが、です。
接待側が嬉しいのは勿論、お客様にも
驚いていただけました。
「ルキャ・キャルトン」★★★
ここでは、5,6人の人数の場合、二種類あった
ワインとセットになった特別デギュスタシオン
のメニューを選びます。
1本のワインで大体グラス6杯になりますから、
ちょうど良いわけです。
前菜、主菜、デザートそれぞれに、お料理のお皿
ごとに店側で選び抜いた様々なワインが出され
ます。
接待側もお客様側も、ワインを選ぶ労力が不要に
なります。
「アンブロワジー」、「ロービュッション」★★★
この二つのレストランは席数が少ないため、
予約はかなり難しかったです。
大体において、一流のフランスレストランは、
1月前の予約受付でしたが、この二つのレス
トランは、予約受付開始日、既に満席という
ことが多かったです。
当時、このことは世間に広く知られていました
から、ここで、お食事をお取りいただくだけ
でも、もうご接待は成功したも同じです。
お料理、サーヴィス、アンビアンス(雰囲気)、
どれをとっても、最高でした。
「ラセール」★★
大名籠のようなエレベーターで、スルスルと二階に
昇れば、そこは、花の咲き誇るヴェルサイユ宮殿に
温室があればかくや、というレストランの室内です。
天井の開閉するレストランで、夏の晴れた夜、
天井が開いたときの星空を見上げる時、誰もが
感動を覚えます。
鴨のオレンジソース煮は、日本人の方々にも良く
知られており、定番でした。
小さな銅製のフライパンのミニチュアなどが
売られていて、いつも、お客様へのプレゼントに
しました。
「アンフィクレス」「ジェラール・ベッソン」★★
こじんまりとしたレストランで席数も少なく、
内装は美しく、お料理は、繊細の限りが尽く
されていて、日本人の方には喜ばれました。
「キャレ・デ・フュイヤン」★★
秋から冬にかけて、ジビエ料理が有名。
インターコンチネンタルホテルの向かいにあり、
このホテルに滞在されているお客様の場合には、
送迎のリムジンハイヤーが不要になりますので、
よく使いました。
当時、これらのレストランのお勘定は、一人当たり、
ワイン代込みで、大体、2,000フラン(=4万円)くらい。
バスティーユオペラ近くの「ボファンジェ」などの
ビストロ(ミシュラン星付きの一流料亭レストラン
とは違います)が、
お勘定一人当たり200~250フランでしたから、
ビストロの8~10倍のお勘定でした。
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